不安型愛着スタイルの特徴を9つ見ていきます。
どの程度当てはまるかは、人それぞれ異なると思います。
人の顔色を伺う
不安型の人は、仕事でもプライベートでも、相手の顔色を見ながら機嫌を伺う傾向があります。
例えば挨拶をした時、少しでも相手の反応がよくないと、何か自分が悪いことをしたのではないかと、不安になってしまうことがあります。
・人に受け入れられているかどうか
・人に嫌われていないかどうか
これらが重要で、相手に気に入られるために、過剰なまでに「いい人」を演じようとする場合があります。
そのため、程よい距離が保てている時は、「いい人」に見られます。
また、相手の都合よく利用されてしまうこともあります。
人から見捨てられることを恐れる
相手が少しでも拒否や否定の素振りを見せると、不安に襲われ、過剰に反応してしまいがちです。
一度、見捨てられるかもしれないと不安に駆られると、その気持ちを抑えることが難しいです。
そのため、相手に過剰に確認してしまいます。
例えば、ケンカをした恋人に謝ったものの、それだけでは済まず、
- 「もう怒ってないよね?」
- 「嫌いになってないよね?」
- 「次はいつ会える?」
と何度も確認してしまう、などです。
また、相手の要求を断りたい場面でも、相手に逆らえないことがあります。
例えば、友人からお金を貸してほしいと言われた時、自分の生活が苦しくても、お金を貸してしまいます。
なぜかというと、要求を断ることよりも、友人との関係を失うことを恐れるためです。
親密な関係になると、依存しやすい
親密な関係になると、自分と他者との境界が曖昧になり、相手を自分の一部のように思い込んでしまう傾向があります。
不安型愛着スタイルのベースは、抵抗/両価型の愛着パターン(「子供の愛着パターン4分類」の抵抗/両価型を参照)です。
幼少期に、ストレスを感じて大人を求めても、一貫した応答が得られなかった結果、相手を求めたら応じてもらえるのか、不安感を持っています。
そのため、親密な相手ができると、求めたら応えてもらえるかどうかで、愛されているか確認をしようとします。
これは、過剰な確認行動として表れます。
ただ、相手が毎回素早く応答してくれるとは限りません。
仕事が忙しくてLINEの返信が遅くなったり、飲み会が楽しくて電話に出るのをつい忘れてしまったりなど、求めに応えることが難しい時もあります。
しかし、そうしたやむを得ない時でさえ、相手に裏切られたと感じて、怒りをぶつけてしまうことがあります。
このように、親密な関係の相手には、依存しやすくなります。
ネガティブな感情に捉われやすい
相手に見捨てられることを恐れる一方で、相手が気分を悪くするような言葉をわざわざ言ってしまうことがあります。
例えば、
- 「いつも約束を守らないじゃない!」
- 「何で電話に出てくれないの!」
- 「今日は早く帰ってくるって言ってたじゃない!嘘つき!」
- 「前に浮気した時も○○だったわよね」
- 「あなたに嫌われたのかと思った」
- 「あなたってすぐ忘れるのね」
- 「この前も言ったじゃない!」
など、不満や愚痴をつい口にしてしまい、言い出すとどんどんエスカレートしていきます。
これは、本当は自分がかまってほしいことの裏返しからくる言動なのですが、相手からすれば、理不尽な言動を受けたことになり、相手が離れていく原因にもなります。
そうなると、今度は自分を批判したり責めたりして自己嫌悪に陥り、その結果、心身のバランスを崩してしまうこともあります。
関心を向けられるのは苦手
では、肯定的に見てもらえれば安定するのかというと、必ずしもそうとは言い切れないようです。
人から期待や賞賛を向けられると、嬉しい反面、自分が相手の期待を裏切らないか、不安やプレッシャーに苛まれる場合があります。
自分に向けられる関心が、かえって集中力を妨げてしまうことになるのです。
両極端な思考になってしまう
両極端な思考とは、「白黒思考」、「全か無か思考」、「ゼロイチ思考」などと呼ばれます。
例えば、完璧か、完璧ではないか、といった具合です。
不安型の人は、自分にも相手にも完璧を求めすぎてしまい、完璧にできるうちは「いい人」、できなくなったら「悪い人」というように、振れ幅が大きいのが特徴です。
これは、幼少期に大人から、大人の言うことを聞いている時は「いい子」、大人の言うことを聞かない時は「悪い子」という扱いを受けたため、成長して、自分も同じことをしている可能性があります。
そのため、少しでも自分のことを否定された、拒否されたなどと感じると、受け入れてもらえないことに傷つき、受け入れてくれない相手を批判してしまうのです。
しかも、否定された出来事を長く引きずる傾向があります。
例えば、浮気をされると、何年経っても昨日のことのように相手を責めてしまう、などです。
共感してほしい
共感してほしい場面で、相手が自分のことを思ってアドバイスをしてくれても、受け入れられないどころか、ネガティブな感情を相手にぶつけてしまう場合があります。
例えば、
不安型の人:自分の不安を共感してほしいと思って話す
相手:「そんなに気にすることじゃないよ」、「考えすぎだよ」、「○の通りにすれば大丈夫だよ」などと伝える
不安型の人:自分のことをわかってくれない!(相手にされなかった、自分の感じ方を否定されたなどの怒りや反抗心が生まれて、相手を批判する)
といった具合です。
まずは自分の気持ちを認めてほしいという感情が強い時は、傾聴してもらい、共感してもらい、信頼関係を築くことで、徐々にアドバイスを受け入れられるようになってきます。
子供ができると、過保護や過干渉になる
子供ができると熱心に世話をしますが、子供が求めていない時にも与えてしまうなど、自分本位の育児になりがちです。
自分の気持ちや感情の方に気を取られてしまい、子供が本当に求めていることが何かを掴みづらい傾向にあります。
また、子供が自立すると、自分が見捨てられるのではという不安から、過保護、過干渉になりやすいです。
子供からすると、ペットや人形のような扱いを受けていると感じられ、怒りや反発を招く場合があります。
自分の欲求を素直に言葉にすることが難しい
相手がどう受け止めるのかを気にし過ぎるあまり、本音を言いたくても言えない葛藤を抱えています。
言えないけれど、わかってほしい気持ちは強いので、相手が要求を汲み取ってくれないと、イライラしてきます。
それが、不機嫌になったり、泣いたり、攻撃してきたりといった言動になって表れる場合があります。
しかし、相手には本当の欲求が何なのかが伝わりづらく、結果として相手が離れてしまう場合もあります。
参考文献
2冊あります↓
マンガの方が読みやすい方はこちら↓
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