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愛着対象と安全基地


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愛着障害

愛着対象から身体接触や共感的な応答がもたらされることで、安全基地が築かれる

アメリカの発達心理学者メアリー・エインスワースは、愛着対象との間に安定した絆が形成されている状態を、「安全基地」という言葉で表現しました。

つまり、安全基地とは「愛着とは何か」で触れている、愛着対象との身体接触や、共感的な応答が得られている状態を意味します。

安全基地が得られると、子供は積極的に外界へ冒険に出かけるようになります。

これを、探索活動といいます。

探索活動をしていて、困ったことが出てきたり、怖い思いをしたりすると、子供は安全基地である愛着対象の元へ戻ります。

子供は、愛着対象との身体接触や、共感的な応答を受けることで安心し、再び外界へ出かけます。

そして、次第に特定の愛着対象以外の人々とも、関係を築くことができるようになってきます。

安全基地は、愛着対象との間に築かれた、安心感と信頼感の証

このように、安全基地があるからこそ、子供は安心して未知の外界を冒険することができます。

また、困った時は人に頼れば助けてもらえるという、人への基本的信頼感を持つことができます。

しかし、安全基地が得られないと、外の世界は怖いもの、困っても誰かに助けてもらえない、などの不安感が募り、消極的になってしまいます。

そのため、愛着対象以外の人々との関係を築くことも、難しくなってしまうのです。

安全基地の成立ポイント、不成立ポイント

それでは、愛着対象が安全基地として成立する場合としない場合の、ポイントを見てみましょう。

安全基地の成立ポイント
  • 子供の要求を汲み取る感受性、共感性がある
  • 子供の要求に応答する(例:お腹が空いたとミルクをほしがったら与える)
  • 子供が困った時に支えになる
  • 子供の要求に一貫して応答する
  • 子供の自主性を尊重する(例:子供の話は批判なく何でも聞く)
  • 子供を危険から守る

愛着対象が子供に対して共感的な応答性があり、安心感や信頼感を与える存在であることがポイントになります。

そして、愛着対象が安全基地として成立しないポイントは、上記とは逆の条件になります。

安全基地の不成立ポイント
  • 子供の要求を汲み取る感受性、共感性がない
  • 子供が要求していないのに与える(例:子供がミルクを欲しがっていないのに与える)
  • 子供が困った時に支えにならない
  • 愛着対象の気分や都合で、子供の要求に応答したり、応答しなかったりする
  • 子供に対して、愛着対象が過保護、過干渉な言動を取る(例:子供が自分でできることでも、愛着対象が行う)
  • 子供を危険から守らない(例:虐待)

不成立ポイントとしては、子供に対して共感的な応答がなく、愛着対象といても安心感や信頼感に乏しいことが挙げられます。

まとめ

  • 安全基地とは、愛着対象から子供に対して共感的な応答があり、安定した絆が形成されている状態のこと
  • 愛着対象が安全基地として成立するには、子供の求めに応答すること

「子供が何を考えているのかわからない!」という大人は、子供の話を批判なく聞いているか、振り返ってみてください。

子供が大人に自分の話をした時、否定されたり批判されたりすると、「この人に話しても仕方がない」と、心を閉ざしてしまいます。これは、安全基地が機能していない状態です。

子供に心を開いてもらうには、安全基地成立のポイントを踏まえて、子供の話を聞いて、受け止めることが大切です。

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