障害のある人が、就職をする前に職業訓練や自己理解などの様々なサポートをしてもらえるのが就労移行支援です。
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今回は、就労移行支援事業所を利用しようと思った時、事前に準備をしておくといいことをご紹介します。
主治医に通所の相談をする
通所を考え始めたら、まずは主治医に相談をして、自分が通所できる状態なのかを確認してみましょう。
主治医から通所の許可が下りなければ、引き続き療養をして体調を整え、主治医から許可が下りたら、少しずつ準備を始めてみましょう。
自分の心身の状態について確認をする
体力について
定期的に通所する体力がありますか?
事業所によっては、在宅訓練を行っている所もあったり、週1日・午前か午後のみ~通所できたりする事業所もあります。
しかし、最終的には就労に備えて週5日・6時間くらい事業所で過ごすことが目標になります。現状の自分は、休まず通所できる体力があるでしょうか?
最初から週5日の通所が難しいなど、体力に不安がある人は、事業所見学の時などに、「週何日から通所できますか?」と確認をしたり、支援員さんに通所日数を相談したりしてみましょう。
無理なく通える範囲から始めて、ステップアップしていくことは大事です。
以下は、段階的に通所日数や時間を伸ばしていく例になります。
- 週1日、午前のみ、または午後のみ
- 週1日、終日(例:10時~16時)
- 週2日、午前のみ、または午後のみ
- 週2日、終日(例:10時~16時)
- 週3日、午前のみ、または午後のみ
- 週3日、終日(例:10時~16時)
- 週4日、午前のみ、または午後のみ
- 週4日、終日(例:10時~16時)
- 週5日、午前のみ、または午後のみ
- 週5日、終日(例:10時~16時)
- 週5日、終日(例:10時~16時)の通所後、2時間くらいカフェや図書館などで自習(フルタイムを想定して、合計8時間の外出練習)
週5日・終日休まず通所できるようになったら、さらにステップアップをして、カフェや図書館などでもう少し過ごしてみるという方法もあります。
例えば、フルタイム就労を検討している人は、フルタイムで勤務した場合と同じ時間に家を出て、同じ時間に帰る練習を重ねておくことで、就労後の生活リズムを保ちやすくなります。
朝は8時半くらいに家を出て、夜は19時くらいに家に帰って、それから夕飯を食べて…。
スーパーの買い出しはいつ行こうかな?家に帰る前?それとも土日?
このように、就労以外の用事をいつ、どこで、どのように行うのかなどをシミュレーションすることができます。ここまで準備をしておくと、就労を始めてから「家事が全然できない…」という状態は避けられます。
また、通所は原則2年間という決まりがあるため、通所前になるべく体調を整えて、休まず通える体力を付けてから通う方が、事業所で得られるものは大きいです。
私は就労移行支援事業所をいくつか見学する中で、ある支援員さんの話が印象的でした。
利用者さんによって課題は異なりますが、休まず通所することが課題の人もいました。
例えば、通所を開始しても休みがちで、こちらが提供するプログラムの参加が難しく、スキルの獲得があまり進まなかったため、希望していた職種を諦めて、別の職種に就職された人もいました。
通所を開始しても、安定して通うことが難しく、休みがちになってしまうと、どんなに事業所の提供するプログラムが素晴らしくても、習得が遅くなってしまいます。スキルの習得があまりできないまま、通所期間の2年が終わってしまうと、もったいないです。
そのため、通所をする前に、週4日くらい6時間の外出ができるようにしておくなど、体力づくりをしておくことをおすすめします。
体調を崩しやすい場面について
体調は整ってきていますか?また、どんな時に体調を崩しやすいですか?
通所日でも、時には体調が優れない日も出てきます。自分がどんな時に体調を崩しやすいのか、どのような対策を取れば体調を管理しやすいのかなどを整理して、できれば対処法もいくつか考えてみましょう。
私は、雨の日は気圧の変化のせいなのか、気分が沈みやすいのよね…。
頭痛も起きやすくなるし…。
だから、雨予報の日は睡眠時間を長めにしたり、頭痛薬を持ち歩いたりしよう。
あとは、なるべく予定を減らして安静に過ごせると、体調の管理がしやすいかも…。
1人では対処法が浮かばない人は、見学や体験通所の際に、支援員さんに相談をして、一緒に対処法を考えてみるという方法もあります。
親身になって相談に乗ってもらえる支援員さんと出会えれば、その事業所に通うきっかけになるかもしれません。
就労移行支援事業所に通う目的を明確にする
自分の課題や学びたいこと、獲得したいスキルを考える
事業所によって提供しているプログラムは異なるため、自分の目的に合った事業を探すことが大事です。
就労移行支援事業所の利用を考え始めたら、まずは何のために通うのか、目的を明確にしてください。
事業所によっては、マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)の資格を取得できるようなeラーニングの動画が用意されていたり、プログラミングが学べたりする所もあります。
また、パソコンを使用した職業訓練(模擬オフィスワーク)を提供している所もあります。そうした事業所であれば、パソコンのスキルを伸ばしながら就労に備えることができます。
人と話すことに苦手意識がある人は、ストレスマネジメントや模擬オフィスワークなど、グループで話し合いをしながら行う訓練がある事業所を探してみましょう。
支援員さんが訓練の様子を見てくれているので、1日の振り返りの時間や、定期面談の時などに、アドバイスをもらえます。
自分で体験をして、練習を積み重ねることで、実際の就労の時に、事業所へ通う前よりもスムーズに職場の人とコミュニケーションが取れるようになります。
集団行動の練習をしたいのか、個別訓練に特化したいのかを考える
就労移行支援事業所によっては、1日のスケジュールが決まっていて、全員同じスケジュールで動く事業所と、自分でスケジュールを決めて動く事業所があります。
全員同じスケジュールで動く事業所では、集団行動の練習を積むことができます。
自分でスケジュールを決めて動ける事業所では、自分の課題や伸ばしたいスキルに合わせて動くことができます。
どちらが自分の目的に合っているのかを事前に考えつつ、できれば両方のタイプの事業所を見学してみましょう。
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