あー、なんだか頭が痛い…。
薬を飲んだら?
何よ、その言い方。冷たいわね。
こういう時はね、「頭が痛いとつらいよね」とか言ってほしいのよ。
そうなんだ…。
不安定型愛着スタイルの人は、自分が共感された経験があまりないため、他人に対して共感の言動を取ることが苦手です。そんな人が、共感とは何かを知る方法をご紹介します。
共感を学ぶには、他人の感情を疑似体験する
そもそも、共感とはどういう意味でしょう?
調べてみると、「他人の意見や感情を、自分の事のように理解すること」などと書かれています。
しかし、不安定型愛着スタイルの親にありがちなのが、
お母さん、Kちゃんにバカって言われた~!
(お母さんに抱き着く)
(抱き着いてきた子供に何もせず)
そんなの気にしなければいいのよ。
いつまでも泣くのはやめなさい。
など、子供の求め(抱きしめてほしい)に応じない(身体的な応答の不足)、子供の気持ちを理解しようとしない(共感的な応答の不足)ことです。不安定型愛着スタイルの親に育てられた子供は、親と同じように他人への共感力が不足した大人に成長します。
一方、安定型愛着スタイルの親であれば、
お母さん、Kちゃんにバカって言われた~!
(お母さんに抱き着く)
(抱き着いてきた子供を抱きしめながら)
お友だちにバカって言われて、悲しかったね。
悲しい気持ちの時は、泣きたくなるよね。
お母さんは、あなたはバカじゃないと思ってるよ。
など、子供の求め(抱きしめてほしい)に応える身体的な応答に加えて、子供の気持ちに共感します。子供は親から「悲しかったね」と言われることで、「悲しい」という感情を覚えていきます。そして、「悲しい気持ちの時は、泣きたくなるよね」と言われることで、他人が泣いている場面を見た時に、「あの人は悲しい」と理解するようになります。
こうした経験が積み重なり、安定型愛着スタイルの親に育てられた子供は、親と同じように他人への共感力がある大人に成長します。
このように、共感の土台は、共感された経験です。しかし、共感された経験が少ない不安定型愛着スタイルの人は、どうすれば共感を知ることができるのでしょうか?
ポイントは、他人の感情を疑似体験(作り上げられた物語の中に身を置き、登場人物の気持ちを体験)することです。
共感された経験があまりないため、まずは第三者の視点から共感を知る
なぜ疑似体験するかと言うと、「こういう場面で、この人は○○な気持ちになるんだ」といった経験が少ないからです。そのため、まずは第三者として他人の言動や気持ちのやりとりを見聞きして、そこから共感力を育てていきます。
共感力が育ってきたら、次は実生活で自分が他人に共感する練習をしてみる、という風に、ステップアップしていきます。
共感を学ぶための疑似体験ができる作品例
第三者の視点で、作り上げられた物語の中に身を置き、登場人物の気持ちを体験する時は、下記のポイントを基準に選んでください。
- 登場人物が2人以上出てくるもの
- 喜怒哀楽(嬉しい、怒る、悲しい、楽しい)など、感情のやり取りがあるもの
私のおすすめは、「どうぞのいす」です。
この作品は、「目の前にいない相手の気持ちを考える」ことを学べる絵本です。贈り物を受け取った相手は、まだ見ぬ次の相手のことを考えて、自分の持ち物を置いて去っていきます。
共感力が低いと、自分が贈り物を受け取ったらそれでおしまい、となってしまいますが、この絵本の登場人物たちは、次の相手が何もなかったら悲しい、という共感を基に行動しています。
「他人に共感して、行動するってこういうことなのか」と想像ができるお話です。
私のおすすめは、「ONE PIECE」です。
主人公のルフィを見てると、「安定型愛着スタイルだなぁ…」と思います。
例えば、仲間がルフィに助けを求めると、全力で助けてくれるところ。家族が死んで悲しくても、これ以上大切な人を失わないように、強く成長しようとするところ。
こんな安定型の人が側にいてくれたらいいな、と思える作品です。
私のおすすめは、小川糸さんの「ツバキ文具店」です。
主人公の鳩子は、代書屋という、依頼人に代わって手紙を書く仕事を営んでいます。依頼人の性格や相手の気持ちを想像して、「この人なら、こんな手紙を書くだろうな…」と、思いを巡らせながら代書をする行為は、共感に基づいています。そのため、鳩子が代書に悩みながらも手紙を完成させるまでの過程を読み進めていくと、「他人に共感するって、こういうことなんだな」と、感じてもらえると思います。
鳩子自身も家族に対する葛藤があり、それを受け入れ、乗り越えようとする過程も、この小説の大事な部分です。
まとめ
- 共感を学ぶには、他人の感情を疑似体験する
- 共感された経験があまりないため、まずは第三者の視点から共感を知る
- 絵本やマンガ、小説などで、2人以上の登場人物の感情のやり取りがある作品を見る
参考文献です↓
マンガの方が読みやすい方はこちら↓
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