そろそろお昼ご飯にしよう。
Mさん、何かすごい匂いがするんですけど…何を食べているんですか?
これ?納豆とキムチ丼だよ。おいしいし、栄養が取れるからおすすめだよ。
いえ、すみません、私は匂いの強い食べ物が苦手なので…。
他人といる時に、自分の感覚が刺激される場面に出くわしたことはありませんか?この女性は、嗅覚過敏(特定の匂いが苦手)なのかもしれません。
人はそれぞれ生まれつき持っている性質があり、それを特性といいます。自分の特性を知ることで、日常生活の傾向や対策を考えることができます。今回は自分の特性を知るシートを作ってみましょう。
3種類の特性の中で、自分に当てはまるものを考える
今回は、注意特性、感覚特性、認知処理特性の3種類を考えてみます。
注意特性
注意特性とは、周りからの刺激に、どのように反応するのかという性質になります。注意特性には3つの機能がありますが、そのバランスは人によって違います。
特定の対象を選んで、注意を向けることができる
例えば、資料を配布されて、自分が見るべき所を選べるか、などです。選択が難しい場合は、「資料の2ページを見てください」など、他人から注目するべき場所を具体的に伝えてもらうことで、必要な所に注目しやすくなります。
特定の対象に注意を向け続けることができる
例えば、上司の話を聞く場面で、集中して聞けるか、などです。持続が短い場合は、周囲の刺激を減らすこと(自分の目の前には上司しかいない、上司の話をメモに書くためメモ用紙だけ見る、など)で、集中する時間を伸ばす対策が取れます。
今している活動から、別の活動に注意を切り替えることができる
例えば、お昼休憩の時間になったら仕事を一旦終わりにできるか、などです。切り替えが難しい状態のことを、過集中と言います。過集中になっている時は、他人から自分の名前を呼んでもらうなど、注意を今までとは別のものに向けることで、活動の切り替えがしやすくなります。
感覚特性
五感(視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚)が鈍感か敏感かを考えます。あなたはどちらでしょうか?
- 鈍感の例:カラフルな色合いを好む、探している物を見つけられない、など
- 敏感の例:散らかっていると落ち着かない、液晶画面をまぶしく感じる、など
- 鈍感の例:賑やかでも気にならない、音を聞き間違えることがある、など
- 敏感の例:些細な音も気になる、特定の音が苦手、など
- 鈍感の例:匂いがわからない、匂いの強いものでも大丈夫、など
- 敏感の例:匂いの強いものが苦手、匂いに刺激されて吐いてしまう、など
- 鈍感の例:痛みに気づきにくい、汚れていても気づかない、など
- 敏感の例:着る服が決まっている、人から触られることが苦手、など
- 鈍感の例:辛いものや味の濃いものなど、刺激的な味を好む、など
- 敏感の例:特定のものしか食べない、偏食、など
認知処理特性
認知処理特性とは、外からの情報を脳にインプットして理解し、アウトプットするまでの過程のことをいいます。認知処理特性は2種類あります。
- 全体から把握する方が理解しやすい(地図を見て、方向や距離感などを把握してから動く、など)
- 視覚的な手掛かりが得意(お手本を見せてもらう、見本と同じようにする、など)
- 直感的なひらめきが得意
- 順序立てて説明される方が理解しやすい(道順を1つ1つ教えてもらってから動く、など)
- 聴覚的な手掛かりが得意(「1つ目の角を曲がったら、次はカフェまで歩いて…」など)
- 理論的に分析することが得意
自己特性シートの作成例
パソコンならWord、Excel、PowerPointなど、手書きなら紙を1枚用意する
私はPowerPointで作ってみましたが、手書きの場合は、A4サイズの紙を1枚用意してください。
- 注意特性で当てはまるもの
- 感覚特性で当てはまるものを五感別に分ける
- 認知処理特性はどちらが当てはまるか
私の場合は、こんな風になりました↓
感覚特性は、五感すべてが敏感な傾向のため、外出すると緊張しやすく、疲れやすいです。電車の中や人混みでは、イヤホンを付けて音楽を聴き、周囲の音をシャットアウトしています。
注意特性は、見聞きした情報を片っ端から処理し始めるため、転導が激しく、話題もコロコロ変わります。集中しなければいけない時は、意識的に転導をやめています。
認知処理特性は、同時処理タイプなので、継次処理タイプの人から何か教わる時は、理解をするのが大変でした。他人に教えてもらう時は、同じ認知処理特性を持っている人の方が、理解がしやすいです。
自分の特性を知ることで、日常生活や就労の際に、どんなことに気を付ければいいのかを考えるヒントになります。
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