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発達障害、万引き、過食、依存症~愛着障害がもたらす様々な困難~


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愛着障害

愛着障害の人は、幼少期に安全基地を築けていなかったり、共感的な応答が不足していたりします。そのため、人への基本的安心感や信頼感に乏しく、愛情に飢えています。そうした心理状態は、様々な困難を引き起こします。

安全基地について、詳しくはこちら↓

愛着対象と安全基地
愛着対象から身体接触や共感的な応答がもたらされることで、安全基地が築かれます。安全基地があることで、子供は積極的に外界を冒険したり、愛着対象の元へ戻って安心したりすることができます。安全基地が成立するポイントと、成立しないポイントを取り上げます。

発達障害

親が不安定型愛着スタイルの場合、子供との間に愛着を築くことが難しく、子供の発達に影響を与えることがあります。例えば、親が子供に共感的な応答をすることが不足していた場合、子供は共感されることを学ぶことができず、結果として自閉症スペクトラム障害のような、相手の気持ちを考えることが難しい特性を身に付けてしまいます。

また、子供に発達障害があり、親が適切な関わりができないと、発達障害のある子供が愛着障害になる場合もあります。

愛着障害と発達障害は、どちらが先なのかを特定することが難しいです。根底に共通しているのは、周りから否定された経験が積み重なって、子供が自己肯定感を持てずに成長することです。自己肯定感を持てないと、積極的に行動する意欲も低下してしまいます。

万引き

愛着障害の人は、しばしば万引きなどの窃盗行為をすることがあります。物が欲しいというよりも、心理的な充足感を求めて行動しています。

原因は、周囲からの愛情不足を紛らわすためであったり、愛情の代わりに物を盗むことで自分を満たそうと試みたり、心の中に溜まった寂しさや怒りを表すためであったりします。つまり、愛情を与えてもらえなかったことへの、仕返しのような行為なのです。

過食

過食はストレスなどをきっかけに、食事量のコントロールができず、一度にたくさん食べ過ぎてしまう行為です。理由としては、精神的に飢えた状態を食べ物で満たそうとする、愛情不足を補おうとする、ストレスから気を紛らわせる、などがあります。人によっては、過食の後に吐いてしまうこともあります。

依存症

愛着障害の人は、幼少期に頼れる愛着対象がいなかったため、成長すると別のものに依存して、頼ろうとします。万引きや過食同様、得られなかった愛情を補おうとしているのです。

アルコール依存症

お酒は、適量を飲めば気分転換になりますが、アルコール依存症は、お酒を大量に飲むことで、アルコールなしではいられなくなってしまう状態です。

お酒をやめると、離脱症状(不眠や手の震え、情緒不安定、幻覚、イライラ感など)が表れる場合があり、また飲み始めてしまうなど、飲酒量のコントロールが自分では難しくなります。そのため、家族関係や社会生活に悪影響が出ます。

薬物依存症

薬物依存症は、覚せい剤や麻薬などを何度か使用することで、心や体に変化が生じている状態のことです。例えば、薬物を摂取すると気分が高揚する、眠気がなくなって徹夜で活動できる、などです。

薬物の摂取をやめると、手の震えや幻覚などが発生する場合があり、そうした禁断症状から逃れるために、再び薬物を摂取して、やめられなくなるという、悪循環になってしまいます。また、薬物をやめても、何かの拍子に薬物への強い欲求が出てくる場合があります。薬物を摂取することが最優先の生活になってしまい、日常生活に悪影響が出ます。

恋愛依存症

恋愛依存症は、恋人と「付き合っている」ことを重要視する状態です。そのため、恋人との用事が最優先になり、生活の中心になります。恋人にとことん尽くすと同時に、相手が浮気をしていないか、自分が嫌われていないかなど、何度も確認をしてしまう傾向があります。

恋愛依存の人は、恋人がいることが自分が愛されている証であり、自分は価値がある存在だと思うことができます。しかし、恋人がいなくなると自分に価値がないように感じてしまい、あまり好きではない人でも、アプローチをされたら付き合ってしまう場合もあります。

共依存になると、暴力などを振るわれても、「この人には自分しかいない」と思い込み、離れられなくなります。

こうした傾向は、不安型愛着スタイルの人によく見られます。

不安型愛着スタイルについてはこちら↓

不安型愛着スタイルの特徴
不安型愛着スタイルの特徴を9つ見ていきます。要因としては、幼少期に求めても、応答に一貫性がなかったため、応答がないことに強い不安を示します。そのため、親密な関係になった相手には依存しやすく、応答してもらえないと激しい怒りを示します。

上記の行動や症状で困っている人がいたら

上記の行動や症状を禁止するだけでは、改善は難しいです。まずは、その人が抱えている困難さを理解することから始めてみましょう。例えば、カウンセリングや心療内科への通院などで、その人の生い立ちや周辺環境を探り、愛着障害にアプローチする、などです。

愛着の傷が困難さを引き起こしているのであれば、改善の糸口も、愛着が絡んでいます。

参考文献はこちら↓

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