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過去の苦しい出来事を、とらえ直す


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生きづらさをゆるめる

私、昔〇〇なことがあったから、今も人が信じられないの…。

生きづらさを感じている人は、過去の出来事で身に付けた考え方から、なかなか抜け出せない人もいると思います。でも、それが苦しい時もありますよね。今回は、そうした苦しい気持ちをどうしたらゆるめられるのか、考えてみました。

過去の出来事を小分けにする

まずは、過去の出来事を4つに細分化してみましょう。

  1. 自分がその時に置かれていた環境
  2. その時に起こった出来事
  3. その時に感じた感情
  4. その時に作り上げた信念(思い込み)

自分がその時に置かれていた環境

例えば、Aさんは子供の頃、健全なコミュニケーションが成り立っていない家庭に居ました。

Aさんの家庭環境
  • 大人同士で言いたいことを一方的に相手に言っている、相手の話は聞いていない(会話の一方通行、共感がない)
  • 大人同士で、「あの人に話しても仕方がない」と会話を避けている(会話の回避)
  • 大人の言動に子供が合わせなくてはいけない(安全基地不全、危機基地、共感がない)

相手の話を聞く、相手の気持ちを思いやる、言い方を考えるなど、コミュニケーションに必要なスキルがあまり学べない家庭環境でした。

その時に起こった出来事

Aさんは子供の頃、自分が思ったことをそのまま友人に言っていました(家庭環境で学んだ、会話の一方通行、共感がない言い方)。すると、小学校4年生の時、仲良しグループだった友人たちから無視をされるようになり、仲間外れにされてしまいました。

Aさんは、仲間外れにされていることを家族に言うことはできず、「学校へ行きたくない」とだけ伝えました。しかし、家族には聞いてもらえず、「おなかが痛い」、「頭が痛い」などと伝えても、「何言ってるの、さっさと学校へ行きなさい」と言われ、学校を休むことはできませんでした(会話の一方通行、共感がない)。

Aさんは11歳~13歳の約2年間、場面緘黙(かんもく)になりました。場面緘黙とは、決まった場所では話をしなくなるという状態です。Aさんは、家では普通に会話をしていましたが、学校などの外にいる時は、ほとんど話をしませんでした。

その時に感じた感情

Aさんは、ある日突然、友人たちから冷たい目で見られて、話しかけてもらえなくなったので、悲しみや怒りの感情が湧きました。そして、学校へ行きたくなくても休ませてくれない家族に対しても、悲しみや怒りの感情が湧きました。

その時に作り上げた信念(思い込み)

この体験はAさんに、「ありのままの自分は受け入れてもらえない」という、間違った信念(思い込み)をもたらしました。

過去の出来事を振り返る

過去の出来事を細分化したら、今度は振り返ります。

  1. 相手の気持ちを想像する
  2. その時に置かれていた環境からの影響を振り返る
  3. その時にはしなかった、他の方法を考えてみる
  4. その時に作り上げた信念(思い込み)を振り返る
  5. これから改善できることは何なのかを考える

相手の気持ちを想像する

友人たちは、どうしてAさんを仲間外れにしたのでしょう?恐らく、Aさんが相手の気持ちを考えずに話したため、一緒に居たくないと思われてしまった可能性があります。

その時に置かれていた環境からの影響を振り返る

この問題の背景にあるのは、Aさんの家庭環境です。家庭で相手の気持ちも考えて話すという健全なコミュニケーションを学んでいなかったことが、Aさんが苦しい思いをすることになってしまった原因の一つです。

その時にはしなかった、他の方法を考えてみる

家族は共感がないので仕方がありませんが、友人たちに関しては、Aさんが相手の気持ちを考えた言い方ができていれば、仲間外れにされる状況は避けられたのかもしれません。

その時に作り上げた信念(思い込み)を振り返る

つまり、伝え方の問題であって、Aさんの人格の問題とは少しずれていたということです。「ありのままの自分は受け入れてもらえない」ではなく、「相手の気持ちを考えた言い方ができたらよかったのかもしれない」という、スキル不足が原因ということになります。

これから改善できることは何なのかを考える

Aさんの場合は、コミュニケーションスキルを伸ばすこと(相手の気持ちを考える、伝え方の勉強をするなど)ができるようになると、改善できるかもしれません。例えば、コミュニケーションに関する本を読んで実行してみる、などです。

まとめ

過去の出来事を小分けにしてから、振り返る

出来事と感情など、色々な考えが頭のなかをグルグル巡ってしまうと苦しくなるので、まずは小分けにして整理をしてから、振り返りができるようになると、楽になるかもしれません。

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