Mさん、午後のS社との打ち合わせ、会議室で行うので準備をお願いします。
はい、わかりました。
Mさん、B社のお礼状できてますか?
あっ、もう少しで完成します。
そうだ。明日のG社のプレゼン資料の作成もお願いします。
はい、わかりました(やることがどんどん増えていく…)。
他人から言われたことを受けているうちに、自分のやることがどんどん増えて困ったことはありませんか?そんな時に使えるのが、3ステップの交渉術です。これができるようになると、自分に無理のない範囲に収められるだけではなく、自分を都合良く利用しようとしてくる人を遠ざけることができます。
他人に言われたことを、すぐに引き受けるのはやめる
頼み事やお誘いを受けた時は、すぐに返事をしない
すぐに「はい」と返事をしてしまうと、「この人に言ったら、すぐに受けてくれる」という印象を相手に与えてしまいます。
その場では、「(仕事や予定などの)確認をして、〇〇までにお返事しますね」と、返事をする期限を伝えて終わりにします。
自分の事情も伝えないと、「この人に言ったら、すぐに受けてくれる」という印象を変えることはできない
すぐに「はい」と返事をしても、内面では色々なことを考えてしまいますよね。例えば、仕事を引き受けた後、「〇と△の仕事もあるけど、どれから手を付けようかな…」と考える、などです。
自分の事情を相手に伝えないでいると、相手からの「この人に言ったら、すぐに受けてくれる」という印象を変えることはできません。ここを変えていきましょう。
3ステップ交渉術の例
返事をする際は、自分の事情を相手に伝えることを軸に、3ステップで交渉していきます。
優先順位を聞く
例えば仕事を頼まれた時、すぐに「はい」と返事をするのはやめます。まずは、自分が現在進めている仕事や予定を相手に伝え、「今は、明日までの〇と△の仕事をしているのですが、どれが優先ですか?」と優先順位を確認しましょう。その結果、「今の仕事を進めてください。他の人にお願いします」となれば、そこで終わりです。
しかし、「そうなんです。今日中の仕事なので、お願いします」などと言われたら、部分交渉に入ります。
「ここまでならできる」と部分的に伝える
例えば、「〇〇までならできます」、「△時までなら参加できます」など、可能な範囲を相手に伝えてみましょう。その結果、「では、そこまでお願いします」と言われたら、受けた部分までやります。
それでも「いや、全てお願いしたいんです」と言われたら、次のステップに移ります。
自分も相手に頼み事をする
人によって、得意な分野と不得意な分野があるので、相手の得意な分野を頼んでみるという方法もあります。例えば、「それでは、こちらの仕事は私がやりますので、△をお願いできますか?」といった伝え方です。
また、こちらも相手に頼みたい事があったとします。そうしたら、頼み事をされた時に、「◇の件で教えていただきたいことがあるのですが、今度お時間いただけないでしょうか?」など、こちらからも頼み事をお願いしてみるという方法もあります。
他人が頼み事をしてくる時、どう思われているのかは、大きく3つの理由があります。
①頼んだらすぐに引き受けてくれる存在(狙われている)
②とりあえず頼んでみて、断られたら他の人に頼もうかな、くらいの存在(誰でもいい)
③「この人に頼めば安心」という存在(頼られている)
どの理由で頼まれているのかを見極めることが大切です。①と②の理由であれば、断りたいですよね。そのために使えるのが、自分からも相手に頼み事をする、です。
こちらを都合良く利用しようとしてくる人は、自分の時間を減らしたくないから頼み事をしてきます。なので、逆に相手から頼み事をされる状況は、嫌がる可能性が高いです。「じゃあ、他の人にお願いします」と言って、すぐに引き受けてくれる、都合の良い人を他に探しに行くでしょう。
しかし、こちらの頼み事も受けてくれる人は、頼みを受けてくれたことに感謝しており、自分も相手の力になりたいと考えているということなので、純粋に頼りにされていると推測されます。
このように、3ステップを活用しながら、自分を都合良く扱おうとしてくる人を遠ざけ、頼ったり頼られたりしながら協力して頑張れる人と一緒にいるのがおすすめです。
まとめ
- 他人に言われたことを、すぐに引き受けるのはやめる
- 自分の事情も伝えないと、「この人に言ったら、すぐに受けてくれる」という印象を変えることはできない
- 自分の事情を伝えながら、段階的に3ステップで交渉する
- 相手が自分を都合良く利用しようとしているのか、頼ってくれているのかを見極める→こちらからを頼み事をしてみて、都合良く利用しようとしてくる人を遠ざける
これができるようになると、だいぶ楽になります。是非活用してみてください。
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