回避型愛着スタイルの人の就業に影響が大きいのは、上司の愛着スタイル
回避型愛着スタイルについて、詳しくはこちら↓
回避型愛着スタイルの人は、仕事の内容よりも、一緒に働く人たちの愛着スタイルの方が重要かもしれません。仕事が続かずに職場を転々としてしまう人は、職場の人たちとの関係、特に上司との関係を振り返ってみてください。
上司が安定型愛着スタイルの職場は、長続きしていませんでしたか?また、反対に上司が不安定型愛着スタイルだった場合は、その職場に居づらかったのではないでしょうか?
愛着スタイルの各特徴については、こちらを参考にしてください↓
回避型愛着スタイルの人は、安定型愛着スタイルの人の元で安定に近づく
これはどういうことかというと、安定型愛着スタイルの上司が、回避型愛着スタイルの人にとって、安全基地のような役割を果たしてくれているため、働きやすい環境になっているいうことです。
安全基地の要件については、こちらを参考にしてください↓
下記の本に、回避型愛着スタイルの職業生活について、こんな記述があります。
仕事においては努力し、赫々たる業績を上げている場合でも、周囲とのコミュニケーションや配慮を怠りがちなので、陰口をたたかれたり、好感度が低かったりなどで、実力以下の評価しか受けないということも、しばしばである。回避型の人の能力を、中身できっちり評価する上司の存在がなければ、早晩職場内で孤立し、仕事でも行きづまってしまいやすい。
岡田尊司 「回避性愛着障害」 第五章 回避型の職業生活と人生 より引用
回避型愛着スタイルの人は、自分のことをあまり話さない上に、他人への関心も低いです。そのため、職場の人たちからは、コミュニケーションが取りづらいと思われていることがあります。それでも、上司が安定型愛着スタイルの人で、回避型愛着スタイルの人の良い部分を取り上げて評価してくれている場合は、孤立感はそこまで深刻にならないかもしれません。
しかし、安全基地となってくれる人がいない場合は、その職場で孤立し、行きづまってしまう可能性が高くなります。
回避型の人は、安全基地に進んでなってくれる理解者がいれば、仕事を続けることもできるが、自分で安全基地を見出し、作っていくような器用さは持ち合わせていないのである。
岡田尊司 「回避性愛着障害」 第五章 回避型の職業生活と人生 より引用
回避型愛着スタイルの回避克服方法
回避せずに現実に立ち向かう
職場の上司が安定した愛着スタイルの人ではなかった場合、回避型愛着スタイルの人はどうすれば安定に近づけるのでしょうか。ポイントは、以下の通りです。
回避を脱する上でカギを握るのは、自分が問題から逃げていることに気づき、もう逃げないと覚悟を決めることである。立ちはだかっている課題に向かって行こうと決心することである。
岡田尊司 「回避性愛着障害」 第六章 回避の克服 より引用
そのために必要なことは、自分から考えて行動するということです。
以下は、自分から行動を起こしてみる例です↓
挨拶をしたり、雑談をしたりするなどして、相互理解に努める(自分の事を他人に知ってもらう、他人に関心を持つ)
もし、社内で安定型愛着スタイルの人を見つけたら、その人の元で働かせてほしいと異動を申し出てみる
今より相性の悪い上司になるかもしれない可能性はあるが、今より相性のいい上司と仕事ができる可能性もある
安全基地となる人を得る
安全基地となる人を得ることで、回避型愛着スタイルの人は安定に近づきます。ポイントは、「共感的な応答をしてくれる人」を探すことです。
例えばカウンセリングを受ける、同じ趣味の人と繋がる、恋人を作る、など
まとめ
- 回避型愛着スタイルの人は、上司が安定型愛着スタイルの人だと働きやすい
- 行き詰まりを感じた時は、回避せずに現実に立ち向かって、行動する
- 安全基地を得て、安定型に近づける
どれも、人と親密な関係を築くことを避ける回避型愛着スタイル特有の困難さです。けれど、それでは現実がうまく立ち行かないことに直面し、変えようと行動し始めれば、少しずつ安定化に近づいていくはずです。私自身、恐れ・回避型愛着スタイルの人間ですが、現状を変えるために行動し続けます。
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