感覚が繊細なHSPにとって、職場環境は働き続けられるかを左右する大きなポイントになります。どういった部分で刺激を受けてしまうのかと、改善するためのヒントをお伝えします。
HSPが感覚を刺激される環境
- 他人の会話が聞こえる
- コピー機など、大きい音がする物の近くの席
- 独り言が多い同僚の近くの席
- エアコンの風が直撃する席(暑すぎたり、寒すぎたりする)
- 窓際の席(外の熱気や冷気が伝わってきやすい)
- 出入口など、人の出入りが激しい席(人の行き来が頻繁にあると、落ち着かない)
- 他人から自分の仕事をしている所を見られる
- 共用スペースに事務用品が散らかっているなど、整理整頓されていない
- 同僚やお客様の香水やタバコ、柔軟剤の匂い
- 他人の飲食物の匂い
HSPが苦手な特徴の人
- イライラしている
- 大きなため息をつく
- 表情が暗い
「あなたは気にし過ぎよ」など、HSPの感性を否定してくる人が特に苦手
HSPな苦手な状況
見通しが変わると対応できるか不安になる
就業時間外は1人になって充電する時間が必要
情報を深く処理して熟考する傾向があるため、すぐに決断することが難しい
- 表面的な話より、深い話を好む
- 何を話していいのかわからない
- 「自分の番になったらこう話そう」と考えているうちに、話題が変わる
- 急かされる
- 急な業務が舞い込む
- いま取り組んでいる業務が終わらないうちに、別の業務が発生する
同時並行処理が苦手
働きづらい時の改善ポイント
感覚を刺激されて困った時
なるべく刺激が少なくなるような配慮を交渉してみましょう。例えば、席を変えることによって刺激を減らす、などです。
- なぜ席替えを希望するのか
- どのような席がいいのか
- それによってどんなメリットが職場にあるのか
↓は参考例です。
- 今の席は出入口に近く、人の行き来が気になって業務に集中しづらいです。
- そのため、○○の(例:一番人の行き来が少ない)席に移動させていただけますでしょうか?
- そうすれば、今より集中して取り組むことができ、業務のスピードを上げることができます。
人から受ける刺激に困った時
苦手な人との関わりは最低限にして、あとはなるべく離れましょう。
挨拶や報告、連絡、相談といった最低限のことは行い、あとはなるべく離れる
それでも困っている時は、直接相手に伝えるという方法もあります。
例えば、同僚の声の大きさが気になって仕事に集中できない時は、困り、願い、解決策(行動)の3つのポイントを考えてみましょう。
- 自分の困り:近くの席の同僚が、電話で話す時の声の大きさが気になる
- 自分の願い:同僚が電話で話す時、もう少し声のボリュームを小さくしてほしい
- 解決策(行動):同僚に自分の要望を伝える(「私は」から始めるアサーションの伝え方で)
↓は行動の参考例です。
(大きな声で電話をしている)はい、そうですね、では○時に△でお願いします。失礼いたします。
あの…Jさん、いま話してもいいですか?
大丈夫ですよ、何ですか?
あの、実は…。私は、Jさんが電話をしていると仕事に集中しづらくなるんです。その…声の大きさが気になってしまって。もう少し声のボリュームを小さくして話してくれるとありがたいなと思っているんですが…どうでしょうか?
あっ、すみません!よく声が大きいって言われるんです。今度から気を付けますね。
苦手な状況に遭遇して困った時
例えば、「私は急に予定が変わることが苦手なので、変更があれば早めに教えていただけますか?」とあらかじめ伝えておく、など
「Aの状況になったらBをする」というように、特定の条件になったら行う行動をあらかじめ決めておく
例えば、飲み会の誘いを受けたら、「予定を確認してからお返事しますね」と伝えて、返事は一旦保留にする、など
例えば飲み会に誘われた時は、「参加しますが、1時間程度で帰りますね」と部分的に参加する、など
例えば他の業務を頼まれた時は、「今は○の業務中なのですが、どちらを先にしますか?」と確認する、など
- 「すみません、もうしばらく考えて、○時にはお返事しますね」など一旦保留にして考える
- 普段からあらかじめ、「私は決断するのに時間がかかるので、何か決めることがあれば、早めにおっしゃっていただけますか?」と伝えておく
HSPの人は非HSPの人より様々なことが気になるため、職場の刺激が多いと、就業が辛くなってしまいます。自分の困りを把握すること、それをどう周囲に伝えるかなど、試行錯誤をしながら、働きやすい環境に少しずつ近づけていけるといいですね。
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