回避型スタイルは、外面と内面にギャップがある
人によって、ストレスに強い人、ストレスに弱い人がいます。
愛着スタイル別で見ると、安定型スタイルの人は、困ったことがあったら他人を信頼して助けを求めることができる(安全基地を持っている)ので、ストレス耐性が強いとされています。
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不安型スタイルの人は、ストレスを感じると過剰反応する傾向がありますが、人を頼ったり、相談したり、助けを求めたりすることができます。そのため、周囲の人は振り回されるかもしれませんが、本人はストレスを溜め込み過ぎずに何とかなります。
他方、回避型スタイルの人は、一見冷静にストレスなく過ごしているように見えますが、内面はギャップがあります。実は、ストレスを感じていないように見えても、内面で抑え込んでいる場合が多いのです。
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回避型スタイルは、内面でストレスを抑え込もうとしているだけ
下記の参考文献に、このような記述があります。
ストレスホルモンである血中のコルチゾールを測ってみると値が上昇していて、脳と体の方はストレスを抱えていることがわかるのです。
~中略~
つまり、一見物事に動じないように見える回避型の人も、本当の意味でストレスに強いわけではなく、表面的な関与しかないスタンスを取ることで、身を守っているのです。
岡田尊司著 「過敏で傷つきやすい人たち」より引用
回避型スタイルの人は、幼少期に愛着対象を求めても応えてもらえなかった経験から、自分の感情を抑え込む癖が身に付いてしまっています。そうした癖が、他人に助けを求めることを諦めさせてしまったり、人への信頼感を損なわせてしまったりして、内面とのアンバランスを引き起こしているのです。
しかし、表面的に済ませることが難しい(例えば、学校や職場など回避できない)状況でストレスを感じると、限界まで平然と我慢をして、限界を超えると突然行けなくなってしまう事態が起こるのです。
回避型スタイルの人がストレスと付き合う例
それでは、回避型スタイルの人がどうやってストレスと付き合っていけばいいのか、対処法を自分と他人に分けて考えてみましょう。
- 自分が回避型スタイルである自覚を持つ(内面に溜め込みやすい、人に助けを求めづらい、自分で自分の気持ちを汲み取りづらい傾向があることを意識する)
- 信頼して話せる相手を見つける(交友関係や仕事関係で探すのが難しければ、産業医やカウンセラーなどの利用を検討してみる)
- 紙に自分が思ったことをひたすら書き出す(書いているうちに、自分で自分の気持ちに気づく)
- 日々、短時間でも構わないので、雑談をする(接する回数を増やして、自分に慣れてもらう)
- 「最近、元気がないみたいだから、心配だな」など、「大丈夫?」以外の気にかけている言葉を伝える(相手に自分を気にしている人がいることを意識してもらう)
- 「どうしたの?」と聞いても、本人がどうしたいかわかっていない場合もあるので、本人の気持ちをしつこく聞き過ぎない
- 「何か話したいと思ったら、いつでも聞くから話してね」など、相手のタイミングに委ねる
ポイントとしては、「本人の中だけに溜め込み過ぎない」、「抑えている気持ちを外に吐き出す」です。
回避型スタイルの人は、人との親密な関わりを避ける傾向があるので、こちらが気を遣って話しかけても、却って迷惑そうにされる場合もあります。しかし、こちらが一貫して近すぎず遠すぎずの距離感を保ちながら、心配していることを日々伝えていると、次第に向こうから少しずつ話をしてくれる場合があるかもしれません。相手が恐れていることは、「求めても応えてもらえないこと」なので、相手に「求めたら応えてもらえる」と思われるような言動を心がけてみましょう。
まとめ
- 回避型スタイルは、外面と内面にギャップがある
- 回避型スタイルは、内面でストレスを抑え込もうとしているだけ
- 内面でストレスを抑え込めなくなると、外面にも出てくる
- ストレスの対処法としては、「本人の中だけに溜め込み過ぎない」、「抑えている気持ちを外に吐き出す」
「あの人はよそよそしくて、何を考えているかわからない」と感じる人ほど、実は内面でストレスを抱えており、本当は人の助けを求めている場合があるかもしれません。
しかし、幼少期の人を求めても応えてもらえない環境に適応してきた結果、自分から人に助けを求めることが難しい傾向があります。その傾向を把握しつつ、ある日突然関わりがなくなってしまう前に、自分から他人にアプローチすること、他人からアプローチしてもらえることが増えるといいなと思います。
参考文献です↓
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