精神障害者保健福祉手帳とは
精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです。
- 対象者:精神障害のため、長期にわたり日常生活又は社会生活への制約がある人
- 対象となる疾患:精神障害全般
精神障害者保健福祉手帳の等級
等級は、1級から3級
1級が重度、2級が中度、3級が軽度のようなイメージです。
- 1級:精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
- 2級:精神障害であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
- 3級:精神障害であって、日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度のもの
等級は、申請時の診断書等に基づいて審査が行われ、決定されます。
等級によって、受けられるサービスに違いがあります
精神障害者保健福祉手帳の様式
2タイプあります。
- 紙形式:カード形式より、2週間程度早く仕上がるとされている
- カード形式:カラー写真を提出しても、白黒の写真として仕上がる
申請時に、どちらにするか選びます。
精神障害者保健福祉手帳を取得するまでの期間
手帳を取得するには、通院状況によって分かれます。
- 心療内科や精神科の初診日から6か月未満の人:初診日から約8か月
- すでに心療内科や精神科に6か月以上通院している人:手帳の申請後、約2か月
なぜかというと、申請までの必要期間と、申請後~交付までの期間があるためです。
手帳申請までの必要期間は、心療内科や精神科の初診日から6か月以上
精神障害者保健福祉手帳は、取得したいと思ったら、すぐに申請できるものではありません
手帳を申請するためには、心療内科や精神科を受診し、その精神障害による初診日から6か月以上経過していることが要件になります。
例:心療内科の初診日が令和4年1月15日だった場合、手帳の申請は令和4年7月15日以降に可能となる
手帳の申請には主治医に診断書の作成を依頼する必要があり、診断書の作成日は、初診日から6か月以降でなくてはいけません。
ただし、初診日は、手帳交付を求める精神疾患について初めて医師の診療を受けた日で、診断書作成医療機関での初診日とは限りません。
転院をした場合は、転院先の病院で確認してみてください
手帳申請後~交付までの期間は、約2か月
審査等のため、申請から結果を受け取るまでに、紙形式は約2か月、カード形式の手帳は約2か月半かかるとされています。
提出書類を郵送して不備があると、それ以上かかる可能性もあります。
申請前に、記入漏れなどがないか、よく確認しましょう
申請に必要なもの
申請に必要なものは、以下の通りです。
- 障害者手帳申請書
- 障害者手帳用診断書
- 本人の写真(縦4センチメートル×横3センチメートル、脱帽・上半身、申請日から1年以内に撮影したもの。写真の裏面には、氏名と生年月日を必ず記入)
- マイナンバーカード(申請書にマイナンバー記載欄あり)
- 精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等の写し
申請は、家族や医療機関関係者等が代理で行うこともできます。
申請すると、各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、認められると手帳が交付されます。
申請書と診断書の入手方法
申請書と診断書は、自治体によって入手方法が複数ある
自治体によっては、所定の窓口で配布している所もあったり、ホームページでExcelやPDF形式で配布されており、ダウンロードして印刷できる所もあったりします。
「精神障害者保健福祉手帳 東京」など、手帳と居住地で検索をして、申請書と診断書の入手方法を確認する
主治医に障害者手帳用診断書の作成を依頼する
初診日から6か月以降に、病院へ障害者手帳用診断書を持参して、先生に作成を依頼します。
おおむね先生が記入してくださるのですが、先生と話しながら記入していただいた項目がありました。
それが、診断書右上にある、「日常生活能力の判定」です。
「日常生活能力の判定」は、主治医と現在の状況を確認しながら記入してもらう
日常生活能力の判定について
質問が8項目あります。
回答は、「適切にできる」、「おおむねできるが援助が必要」、「援助があればできる」、「できない」などの4項目から選びます。
家族に食事を用意してもらったり、外で買ってきたりすれば食べられる場合は、「自発的にできるが援助が必要」などの回答になるかもしれません。
毎日お風呂に入れない、起きる時間や寝る時間が不規則などであれば、「自発的にできる」以外の回答になります。
借金がある、買い物依存症になっているなどの場合は、「できない」の回答になります。
1人では通院できない、服薬は促されないとできないなどの場合は、「適切にできる」以外の回答になります。
ひきこもっていて、他人との会話に乏しいなどの場合は、「適切にできる」以外の回答になります。
自分の体調不良に対処できない、地震があった時に1人で避難ができないなどの場合は、「適切にできる」以外の回答になります。
役所などで各種手続きを自分でできない時は、「適切にできる」以外の回答になります。
以前は休日に趣味のテニスを楽しんでいたけれど、今はできない場合は、「できない」の回答になるかもしれません。
通院前に、診断書の該当欄を見ながら、自分の状況を整理してから行くといいかもしれません
自立支援医療を同時申請する場合
診断書に記入欄があるので、先生に「自立支援医療を同時申請したいです」と伝えて、記入してもらってください。
詳細はこちらを参照してください。
各書類の提出方法
自治体によって、窓口へ提出する方法と、郵送で提出する方法がある
お住まいの自治体の方法と、窓口であればどこが対応しているのかを確認してみてください。
手帳の交付通知書が到着
各書類を提出後、約2か月くらいで、自宅に手帳交付の通知書が郵送されてきました。
交付日時と交付場所、持ち物(私の場合は、新規申請で交付通知書と印鑑)が書いてありました。
指定された日時に交付場所へ行くことが難しい時は、交付通知書記載の問い合わせ先に連絡する
手帳2級取得までの体験談
以下、私の体験談になります。
- 令和4年1月:心療内科初診
- 令和4年8月:初診日から半年が経過。主治医に精神障害者保健福祉手帳の診断書を作成してもらい、申請。自立支援医療も同時に申請。
- 令和4年10月:精神障害者保健福祉手帳交付
交付当日は、指定日時に、持ち物(交付通知書と印鑑)を持って、交付場所へ行きました。
手帳交付~説明で約20分(窓口には他に来所者がおらず、待ち時間がなかった状態)
- 持参した交付通知書を職員さんに渡し、手帳を受け取る
- 住所・氏名・生年月日に間違いがないか確認
- 持参した印鑑を職員さんに渡し、職員さんが受け取り台帳に押印して、返却される
- 手帳の有効期限と更新について
- 税金の控除について
- 少額預金等・少額公債の利子非課税制度(障害者等マル優、特別マル優)について(窓口は金融機関等の各営業所等)
- 公共交通機関の乗車助成などについて(各自治体によって異なります)
- 航空旅客運賃の割引について(航空会社によって異なります)
- 住宅の入居優遇について
- 各種施設の入場料・利用料等の割引について(詳細は各施設へ要確認)
- 減免や免除のあるものについて
- 携帯電話料金の割引について(au、SoftBank、docomoはそれぞれ割引有り。各携帯電話会社へ要確認。)
- 後期高齢者医療制度について
- 手当・給付金関係について
- 精神障害者入院医療援護金について
- 障害基礎年金・障害厚生年金等について
説明に関しては、精神障害者用にポイントを絞った書面を見ながら、簡潔に話を聞いた感じです。
私は、手帳の交付と説明を受けた後、公共交通機関の乗車助成手続きをして、障害福祉の案内冊子をもらって帰りました。
手帳の有効期限及び更新
手帳の有効期間は、申請受理日から2年間(2年後の月末まで)で、更新を希望する場合は、更新申請の手続を行う必要があります。
手帳の有効期間:令和4年8月1日に申請受理→令和6年8月31日に失効
有効期限の3か月前から更新申請を行うことができ、更新が認定された場合は、有効期限の翌日から2年後が新たな有効期限となります。
手帳の更新申請:令和4年8月31日に失効→令和6年6月~更新申請可能
再度必要書類と、現在交付されている手帳の写しが必要です。
更新の際は、提出書類に基づいて、改めて等級の審査が行われます。
更新の際は、自治体から連絡が来ることはないので、手続きを忘れずにと職員さんからお話しがありました。
有効期限の3か月前になったら、手帳更新申請の準備をしましょう
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