不安定な愛着パターンは、子供から3つの戦略を生み出す
大人からの応答に一貫性がなく、無秩序な状態の時、子供はその状態をどうにかして秩序があるものにコントロールしようとします。
それは、統制型の愛着パターンと呼ばれ、戦略が3つに分かれます。
①支配的コントロール、②従属的コントロール、③操作的コントロール、です。
子供は大人をよく観察し、相手によって戦略を変えます。
この戦略は、子供の人格形成に大きな影響を与えます。
3つのコントロール戦略を用いることで、子供はバランスを取ろうとする
大人からの関心が薄かったり、守ってもらえたり、守ってもらえなかったりする状態は、子供を不安にさせます。
そうした不安定な状態を少しでも安定した状態するため、子供は大人をコントロールすることで、バランスを取ろうとしているのです。
愛着が安定するためには、子供が求めた時に、大人から応えてもらえることが重要です。
そのため子供は、どうすれば大人から、自分の望んでいる応答を引き出すことができるのか、試行錯誤しているのです。
言い換えれば、大人からの適切な応答があれば、駆け引きをしない人間に成長しますが、適切な応答を受けられなかった場合、駆け引きをする人間に成長する可能性が高いということです。
3つのコントロール戦略
支配的コントロール
- 暴力を振るう
- 暴言を吐く
- 言うことを聞かない
<戦略が表れやすい対象の例>
- 子供が「優しそう」、「言うことを聞いてくれそう」と感じた相手
- 以前、子供が支配的コントロールを実施して、成功した相手
従属的コントロール
- 相手が気に入るような振る舞いをする(手伝いをする、相談役になる、世話係になるなど)
- 相手をサポートする
<戦略が表れやすい対象の例>
- 従属的に振る舞うことで、関心を得られた相手
- 従属的に振る舞うことで、相手の気分をコントロールできた相手
- 支配的コントロールが効かなかった相手(相手の方が支配的コントロールを子供に使うなど)
操作的コントロール
- 支配的コントロールと従属的コントロールが組み合わさったもの
- 相手に反発することでコントロールしようとしたり、相手が気に入るような振る舞いをすることで、関心を引こうとする
<戦略が表れやすい対象の例>
- 行動パターンが無秩序な相手(子供も相手の反応を見て戦略を変える)
これらの戦略は、幼い頃から見られる一方で、大きく変化する場合もあります。
相手を見て、子供がバランスを取るため、戦略も一律ではないのでしょう。
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まとめ
- 不安定な愛着パターンは、子供から3つの戦略を生み出す
- 相手との不安定な関係を安定させるために、相手を観察して戦略を変える
- 支配的コントロール:暴力を振るう、言うことを聞かないなど
- 従属的コントロール:相手が気に入るような振る舞いをするなど
- 操作的コントロール:支配的コントロールと従属的コントロールの組み合わせ
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