ネガティブな感情を抑えつけず、表に出せるようサポートする
怒りや悲しみなど、子供が自分のネガティブな感情をうまく言葉で表せない時、別の形で表れることがあります。
例えば、宿題があるけれど、自力で解けるか不安だから手を付けづらい…というタイミングで、親から「さっさと宿題をしなさい」と言われると、『うるさい!』と言ってしまったり、宿題のプリントを破いたりしてしまう、などです。
子供が親に伝えたいのは、『宿題ができるか不安なんだ…』といった気持ちなのですが、自分の気持ちを把握して言語化できないと、実行することは難しいです。
親も親で、「うるさいって言い方はやめなさい!」、「プリントを破っちゃダメでしょ!」など、子供の言動を注意して終わってしまう場合があります。
こういう時は、ネガティブな感情を抑えつけない働きかけが大切です。
段階が上がると、危険度も上がる
ネガティブな感情の表出には、段階があります。
- 自分のネガティブな感情を言葉にする
- 暴言を吐く
- 物を傷つけたり壊したりする(器物損壊)
- 人に危害を加える(他害行為、自傷行為)
段階が進むにつれて、危険度が上がっていきます。
危険を防ぐためには、低い段階で留めることです。
低い段階で留める練習
それでは、低い段階で留めるための例を2つ挙げます。
「そういう時は~って言うんだよ」など、子供の感情を言葉にする
状況:子供がゲームに負けて悔しい時、一緒に遊んでいた人に「バカ!」と言った
NG例:「バカって言わないの!」
OK例:「そういう時は、負けて悔しい、って言うんだよ」
子供が言語化できていないネガティブな感情を、大人が代わりに言語化します。
できれば伝えた後、子供自身にも言ってもらうと効果的です。
そして次からは、子供が自分で「悔しい」と感情を表せるようにしていきます。
また、「こういう時、どんな気持ち何だっけ?」と聞いてみるなど、暴言や物に当たる前の段階で留められるような声掛けをすることも有効です。
「〇〇はしなかったね」など、できていることを伝える
状況:子供が大人に注意された時、怒って壁を殴り、穴を開けた
NG例:「壁を殴るのはやめなさい!」←できていないことに焦点を当てている
OK例:「他の人や自分は傷つけなかったね」←できていることに焦点を当てている
NG例のように器物損壊を禁止されて、人に危害を加える段階に進まないように、「子供ができていることを意識して伝える」も参考にして、OK例を考えてみましょう。
まとめ
- 子供のネガティブな感情を抑えつけず、表に出せるようサポートする
- 「そういう時は~って言うんだよ」など、子供の感情を言葉にする
- 「〇〇はしなかったね」など、できていることを伝える
感情を認めてもらえないと、苦しくなってしまいます。
子供だけではなく、大人にも有効な手段だと思うので、苦しくなったら活用してみてください。
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